アジア発:今どき教員のつぶやき

大学勤務20年目の中年。主に教育、翻訳、通訳といった話(愚痴)や家族の話など

通訳者になるには

通訳者の育成入門コースが始まるので、ちょこちょこ打ち合わせをしている。「このレベルからなら、受講できますよ」という語学力の目安があるが、そのハードルは決して高くない。大学の〇〇語学科というところで4年間学び、卒業要求で検定試験〇級というのがあるとしたら、めでたく最低ラインを突破して卒業できるという程度だ。

通訳に学歴は関係ないというが、通訳を使う人というのは少なくとも日本と異なる言語環境との取引や交流を必要としているわけで、しかもその資金を持っている。そういう人が考え、話す内容が理解できなければお話にならない。もちろんレベルにもよるが、通訳者を目指す人というのは道案内やショッピングの手伝いをするというレベルが最終目標な訳ではないだろう。上を目指せば目指すほど、求められる知識の広さと深さが増す。

通訳のフィールドはビジネス、医療、司法、国際会議、、、と様々だが共通しているのは、通訳者が幅広い常識+必要となる専門分野の知識を持っていないと対応しきれない面がある。とはいえ、出身大学や偏差値そのものが重要なのではない。要は教養ある人が共通して持っているであろう基本的な知識を有しているほうがよい、ということ。地頭もある程度関係してくるが、努力してカバーできる部分もあるはずだ。

このほか、記憶力、記憶保持力に優れていることも必要。相手の言っている内容が100%分かっていたとしても、話者が発した内容を訳す前に忘れてしまっては使い物にならない。現役の通訳者でも記憶保持の訓練を怠らないようにしているものだ。

まとめるとこんな感じだろうが、私自分がどうなのかと言われたら恥ずかしくて目を伏せるばかりです。本当に。。

基礎訓練の機会や師匠に相当する人に恵まれなかった(或いはなかった)、一般の言語習得過程と異なるような環境で過ごしてきたような人は、OJTあるのみ。実務経験を通して自らを教育すること。ただし、初舞台で失敗すると次からお呼びがかからなくなり、それ以降経験が積めなくなるというリスクがあるのでご注意ください。